はじめに:教育現場の実感を出発点に

大学の英語教育に携わる人なら、こんな場面に何度も出くわしたことがあるでしょう。数十人の学生が提出した英作文を前に、教師は一枚一枚に目を通し、文法の誤りを指摘し、表現をコメントする。その膨大な作業は時間を奪い、やがて質的なフィードバックまで手が回らなくなる。そんな教育現場の課題に対して、テクノロジーはどのような解決策を提供できるのか。温州大学の王友美氏らは、この問いに真摯に向き合った研究An integrated automatic writing evaluation and SVVR approach to improve students’ EFL writing performanceを2022年に発表しました。

本論文は、自動採点システム(Automatic Writing Evaluation、以下AWE)と球面ビデオベースの仮想現実(Spherical Video-based Virtual Reality、以下SVVR)を統合することで、英語第二言語(EFL)の学習者のライティングパフォーマンスをいかに向上させるかを調査しています。研究チームは温州大学とフージェン・カトリック大学などの複数の機関から参集しており、教育技術、図書館情報学、外国語教育といった異なる分野の専門家が協力した学際的プロジェクトとなっています。