研究の背景とねらい
パデュー大学のYan Cong研究員によるDemystifying large language models in second language development researchという論文は、大規模言語モデル(LLM)を使った第二言語学習者の英語ライティング評価という、とても実践的でありながら学問的にも深い課題に取り組んでいます。この論文を読んでいると、現代のテクノロジーが教育という古い営みにどう関わるべきかという問い自体が、いかに大切であるかを改めて感じさせられます。
Cong研究員の問題意識は明確です。人間が学生の英語作文を評価するのは時間がかかり、採点者によってばらつきが出やすいという昔からの悩みがあります。一方、ChatGPTなどの最新のLLMは驚くほど自然な文章を生成できるようになりました。それなら、こうした言語モデルを使って、学習者の英語能力をより効率的に、かつ一貫性を持って評価できないだろうか。そして何より重要なのは、そうした評価が単なる数字ではなく、学習者がどのように言語能力を発展させているのかについて、本当の理解をもたらすことができるかということです。これは教育工学的な問題であるとともに、言語学や認知科学の問題でもあります。
