英作文の成績表に「もっと詳しい情報」を求めて

英語の授業で作文を書いて、先生から「B+」という評価をもらったとします。この評価だけでは、自分の何が良くて何が悪いのか、具体的にはわかりません。語彙の選び方に問題があるのか、文法が弱いのか、それとも内容の組み立て方に課題があるのか。このような疑問に答えようとしたのが、本研究です。

イランのマシュハド・イスラム自由大学の研究チームであるEffatpanah氏、Baghaei氏、Boori氏らは、500人のイラン人英語専攻の大学生を対象に、認知診断モデルという統計的手法を用いて、学生たちの英作文能力を詳細に分析しました。彼らが使ったのは、ACDM(Additive Cognitive Diagnostic Model:加算型認知診断モデル)と呼ばれる方法です。この研究は2019年に『Language Testing in Asia』という学術誌に掲載されました。

従来のテストでは、学生に対して「75点」とか「中級レベル」といった一つの総合点を与えるのが一般的でした。しかし、これは健康診断で「総合的にはやや不健康です」とだけ言われるようなもので、具体的にどこをどう改善すればいいのかがわかりません。本研究Diagnosing EFL learners’ writing ability: A diagnostic classification modeling analysisは、英作文という複雑な能力を複数の要素に分解し、それぞれについて学生がどの程度習得しているかを診断しようという試みです。