はじめに:言語研究の常識に切り込んだ大規模調査

この論文Rethinking first language–second language similarities and differences in English proficiency: Insights from the ENglish Reading Online (ENRO) Projectは、一見するとアカデミックな専門用語に満ちた難しいものに見えるかもしれません。しかし実は、私たちが「英語ができるできないの差」についてどう考えるかを大きく変える可能性を持った研究です。タイトルだけを読むと退屈に感じるかもしれませんが、この研究が示していることは、かなり興味深い内容です。

主著者のNoam Siegelmanらを含む国際研究チームが立ち上げたENRO(English Reading Online)プロジェクトは、7,338人もの大学生を対象に、英語の読む能力と聞く能力を詳しく調査しました。参加者は30の研究機関から募集され、19カ国、16の異なる第一言語を持つ人たちが含まれています。特に素晴らしいのは、ネイティブスピーカー(以下L1)と第二言語学習者(以下L2)の両方を同じ条件で調査した点です。