はじめに
英語を外国語として学ぶ学生にとって、話すことと書くことは最も難しい技能だとよく言われます。文法の知識があっても、実際に自分の考えを表現するとなると、多くの学習者が壁にぶつかります。私自身も英語を学んだ経験から、テストで良い点を取っても、実際に外国人と会話したり、メールを書いたりする場面では言葉に詰まった記憶があります。
このような課題に対して、従来は教師が学生の成果を評価し、フィードバックを与えるのが一般的でした。しかし近年、学生自身が自分の作品を評価したり、クラスメート同士で互いの作品を評価し合ったりする方法が注目されています。今回ご紹介する論文Learner-oriented assessment (LOA) practice: The comparative study of self-assessment, peer assessment, and teacher assessment on EFL learners’ writing complexity, accuracy, and fluency (CAF), speaking CAF, and attitudeは、イランの英語学習者を対象に、教師による評価、自己評価、仲間評価という三つの評価方法を比較し、それぞれが学習者の英語力と学習態度にどのような影響を与えるかを調べた研究です。
この研究を主導したのは、サウジアラビアのプリンス・サッタム・ビン・アブドゥルアズィーズ大学のアンワル・ハマド・アル・ラシディ氏をはじめとする四名の研究者です。彼らはパキスタン、イラン、エチオピアの大学に所属しており、国際的な視点から言語評価の問題に取り組んでいます。特にアル・ラシディ氏は心理学のバックグラウンドを持ち、学習者の心理面にも配慮した研究を進めています。
