教室の日常風景から始まる根本的な問い
英語の授業中、生徒たちが小声で日本語で相談し合っている様子を見て、先生が「English only!」と注意する。このような光景は、日本だけでなく世界中の外国語教室で日常的に見られます。しかし、この「目標言語のみを使用する」という原則は、本当に学習者のためになっているのでしょうか。母語を使うことは、本当に第二言語学習の妨げになるのでしょうか。
香港恒生大学のGavin Buiと香港大学のKevin W. H. Taiによる本論文”Revisiting functional adequacy and task-based language teaching in the GBA: Insights from translanguaging”は、まさにこの根本的な問いに正面から取り組んでいます。両氏は、中国の広東省、香港、マカオを含む大湾区(Greater Bay Area、以下GBA)という複雑な多言語地域を舞台に、タスクベース言語教育(Task-Based Language Teaching、以下TBLT)とトランスランゲージングという二つのアプローチを統合することで、より実践的で効果的な言語教育が実現できると主張します。
