英語だけでは教えられない? 国際学校が直面する現実
教室に入ると、先生が英語で「Business Plan」と言った直後、中国語で「我们所说的商业计划书呢?」と続けます。学生のStanleyは「商业计划书、it was like、去做一个展示去吸引…哦!投资人!」と答えます。この会話を聞いて、違和感を覚える方もいるかもしれません。英語の授業なのに、なぜ中国語と英語が混ざっているのでしょうか。
この論文”Towards a sustainable classroom ecology: Translanguaging in English as a medium of instruction (EMI) in a finance course at an international school in Shanghai”は、上海の国際学校で行われた金融コースの授業を観察し、学生たちがどのように複数の言語を使い分けながら学んでいるのかを明らかにしています。筆者のXiaozhou Zhou、Chenke Li、Xuesong Gaoは、上海国際研究大学とニューサウスウェールズ大学に所属する研究者です。彼らは、英語を教授言語とする授業(EMI―English as a Medium of Instruction)において、学生が中国語(普通話)と英語を自在に行き来する「トランスランゲージング」という現象に注目しました。
国際学校では、建前上は英語がキャンパス内の公用語とされています。しかし現実には、教師も学生も中国語と英語の両方を話せるため、授業中に両言語が混在することがよくあります。従来の言語教育の考え方では、このような言語の混用は「コードスイッチング」として、あまり好ましくないものとされてきました。しかし近年、トランスランゲージングという新しい視点が登場し、複数言語の使用を「欠陥」ではなく、豊かな言語資源を活用する「能力」として捉え直す動きが出てきています。
