はじめに―第一言語を使って学ぶことの是非

英語の授業中に日本語で話すことは「悪いこと」なのでしょうか。この問いは、英語教育に関わる多くの人々にとって長年の論争の種となってきました。ある先生は「英語の授業では英語だけを使うべきだ」と主張し、別の先生は「母語を活用することで理解が深まる」と考えます。この議論に一石を投じる研究”Translanguaging and reading comprehension in a second language”が、Muhammad Asif QureshibとAhmad Aljanadbahによって2022年に発表されました。

両氏はアラブ首長国連邦(UAE)のZayed Universityに所属する研究者です。Qureshiは言語学習部門、Aljanadbahはアラビア語文学部門に籍を置き、特に非母語話者へのアラビア語教育に携わっています。この研究は、International Multilingual Research Journalという査読付き学術誌に掲載されており、公開からわずか数年で12,000回以上も閲覧され、16本の論文に引用されるなど、大きな関心を集めています。