多様性に満ちた教室の現実
教室に足を踏み入れると、そこには様々な背景を持つ生徒たちがいます。ある生徒はパキスタン出身で家ではウルドゥー語を話し、隣の席の生徒は香港生まれで広東語が母語、その後ろには中国本土から来た生徒が座っていて普通話(標準中国語)を使います。そして授業は英語で行われます。このような教室で、教師はどのようにして全ての生徒に科学や数学の概念を理解させることができるのでしょうか。
Kevin W. H. Taiによる本論文”Translanguaging as inclusive pedagogical practices in English-medium instruction science and mathematics classrooms for linguistically and culturally diverse students”は、まさにこのような複雑な言語状況にある香港の英語媒介教育(EMI)の教室を対象とした研究です。著者はユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの応用言語学センターで博士号を取得した研究者で、多言語教育や教室談話の分析を専門としています。彼自身が複数の学術誌の編集委員を務めるなど、この分野で精力的に活動している若手研究者です。
