当たり前を問い直す勇気
アメリカの小学校1年生の教室で、英語を母語とする子どもたちに先生が突然スペイン語の単語を教え始めたら、どう思われるでしょうか。「英語の授業なのに、なぜスペイン語?」と疑問に思う保護者もいるかもしれません。しかし、香港大学のKevin W. H. TaiとアメリカのMonmouth UniversityのChiu-Yin (Cathy) Wongによる本研究は、まさにそのような実践が、子どもたちの言語能力や文化理解、そして世界市民としての資質を育てる上で、いかに意味があるかを丁寧に描き出しています。
この論文”Empowering students through the construction of a translanguaging space in an English as a first language classroom”が取り上げているのは、Miss Tという仮名で呼ばれる小学校教師の実践です。彼女は英語を母語とする18人の1年生を担当していますが、授業の中で意図的にスペイン語の単語を取り入れ、多様な言語や文化を尊重する態度を育てようとしています。一見すると奇妙に思える試みですが、その背景には深い教育的配慮があります。
