研究の舞台と筆者について
上海外国語大学のXiaozhou (Emily) Zhouと、イギリスのUniversity of WarwickのSteve Mannによるこの研究”Translanguaging in a Chinese university CLIL classroom: Teacher strategies and student attitudes”は、私たちに教室での言語使用について大切な問いを投げかけています。外国語を学ぶ教室では、母語を使うべきなのか、それとも学習対象の言語だけを使うべきなのか。この問いは、英語教育に携わる人なら誰もが一度は悩んだことがあるでしょう。
Zhouは30代半ばの若手研究者で、英語圏の国で高等教育を受け、6年間の教育経験を持つ実践者です。この研究は、彼女自身が教師として関わった教室を対象としており、いわば「自分の教室を見つめ直す」作業でもありました。一方のMannは、教室談話研究の専門家として、この実践研究を理論的に支えています。二人の協働は、実践と理論の架け橋となっています。
研究の舞台となったのは、中国の大学で英語を専攻する1年生25名のクラスです。学生たちは18歳から19歳で、6歳から英語を学んできたため、かなり高い英語力を持っています。ヨーロッパ言語共通参照枠でいえばB2レベル、つまり中級の上から上級の入り口あたりの実力です。授業は「テーマ別リーディング」という科目で、英語圏の文学、文化、歴史、芸術などについて英語で学びながら、同時に英語力も向上させることを目指しています。
