面接の後で残る違和感
スピーキングテストの評価をしていて、後から迷うことがあります。あの受験者は流暢だったのか、それとも堂々としていただけなのか。文法が正確だったのか、それとも自信ありげな態度に引きずられたのか。採点を終えてから、判断の根拠が曖昧だったことに気づく。この居心地の悪さは、評価に関わったことのある人なら覚えがあるはずです。
私たちは、言葉だけを聞いているつもりでいます。しかし実際には、話し手の表情や声の張り、目線や姿勢まで含めて受け取っています。とりわけ映像を伴う評価では、非言語的な情報が大量に流れ込んできます。それを完全に切り離すことは、おそらく不可能でしょう。
今回取り上げる研究は、この直感を数値で裏づけました。John Dylan Burton と Paula Winke の両氏が Studies in Second Language Acquisition に発表した “Affect as a component of second language speech perception” は、評価者が受験者の感情状態をどう捉え、それが言語能力の評価にどう影響するかを分析しています。
結果は、評価に関わるすべての人にとって無視できないものでした。情意的な印象が、言語評価の分散の二割前後を説明していたのです。
