「間隔をあけたほうがよい」は本当か

学習心理学の知見として、間隔をあけた反復が有利だという主張は広く知られています。同じ回数練習するなら、まとめて行うより日を分けたほうが記憶に残る。単語の暗記アプリの多くは、この原理に基づいて復習の間隔を制御しています。教育の場でも、分散学習という言葉はすっかり定着しました。

ところが、この原理がどんな場面でも成り立つとは限りません。学習の対象や条件によっては、逆の結果が出ることもあります。理論を現場に持ち込むとき、条件の違いを見落とすと期待した効果は得られません。

今回取り上げる研究は、まさにその落とし穴を示しました。Siowai Lo 氏が ReCALL に発表した “Vocabulary learning through viewing dual-subtitled videos: Immediate repetition versus spaced repetition as an enhancement strategy” は、二言語字幕付き動画の反復視聴を扱い、間隔をあけない反復のほうが有利だという結果を報告しています。

一般に信じられている原則と逆の結果です。だからこそ、なぜそうなったのかを考える価値があります。