「字幕で英語を覚えました」という証言の裏側

海外ドラマで英語を身につけた、という話をよく聞きます。実際にそういう人はいます。毎日のように見続け、気づけば聞き取れるようになっていた。うらやましい話です。

けれども、同じようにドラマを見ていて何も変わらない人もいます。むしろ、そちらのほうが多数派でしょう。同じ活動をしていて結果が分かれるのは、見方が違うからです。何語の字幕を付けているか。これが分岐点の一つになります。

今回取り上げる研究は、この分岐を実験で確かめました。Paweł Scheffler と Karolina Baranowska の両氏が Language Learning & Technology に発表した “Learning pronunciation through television series” は、母語字幕、英語字幕、字幕なしの三条件を比較し、発音の受容と産出の両面から効果を測っています。

結果には、教室での判断に直結する示唆が含まれていました。とりわけ、母語字幕をめぐる知見は、日本の現場でよく行われている実践に再考を迫るものです。