同じ番組なら同じように理解できる、という思い込み

授業で連続ドラマを扱うとき、私たちは暗黙の前提を置いています。話が進むにつれて、生徒は登場人物や話し方に慣れ、理解しやすくなるだろう、と。実際、そうした感覚を報告する生徒もいます。最初はまったくわからなかったのに、何話か見るうちに聞こえるようになった、という証言です。

この前提は、教材選定にも影響しています。一話を扱ってうまくいけば、次の話も同じように使えるだろうと考える。研究の世界でも同じで、一話分の視聴で得られた結果が、番組全体の性質を代表しているかのように扱われてきました。

ところが、この前提には根拠がありませんでした。同じ番組の別の回が、同じ難しさだとは限らない。誰も確かめていなかったのです。

今回取り上げる研究は、この盲点を突きました。Geòrgia Pujadas と Stuart Webb の両氏が Language Learning & Technology に発表した “Does comprehension of L2 television programs improve through regular classroom viewing?” は、同一の番組九話にわたる理解度を追跡し、予想外のばらつきを見つけています。