カタカナ語という、日本語話者だけの資源と罠

日本語には、おびただしい数の外来語が入り込んでいます。テーブル、システム、コミュニケーション。これらの語を、日本人学習者は英語を学ぶ前から知っています。意味の見当もつきます。学習の足がかりとしては、これほど便利なものはありません。ところが同時に、これらの語は最大の妨げにもなります。頭の中に刻まれた音の形が、実際の英語とはかけ離れているからです。

ヨーロッパの言語どうしでは、この現象はもっと素直な形で現れます。ポーランド語の minus と英語の minus のように、綴りも意味も一致する語が数多く存在します。同根語と呼ばれるこうした語は、学習者にとって明確な利点をもたらすとされてきました。読むのが速く、覚えるのも容易だという報告が積み上がっています。

では、映像の字幕の中ではどうでしょうか。字幕は数秒で消えます。ゆっくり考える余裕はありません。この条件下で、同根語の利点は本当に働くのか。そして、字幕の表示速度は語の処理にどう影響するのか。今回取り上げる研究が扱ったのは、この二つの問いです。

Breno Silva、Valentina Ragni、Agnieszka Otwinowska、Agnieszka Szarkowska の四氏が Language Learning & Technology に発表した “Cognate vs. noncognate processing and subtitle speed among advanced L2-English learners: An eye-tracking study” は、視線計測を用いてこの問題に接近しました。結果は、素朴な予測をいくつか裏切るものでした。