便利になった技術と、期待されすぎた効果

音声つきの読書は、いまや誰でも手軽にできます。オーディオブックの配信、電子書籍の読み上げ機能、教科書のデジタル版に付属する音声。文字を目で追いながら、同じ内容を耳で聞く環境が整いました。

語学教育の現場でも、この方式は歓迎されてきました。教師が文章を音読しながら生徒に読ませる。音声を流しながら本文を追わせる。二つの情報源があれば理解も深まるだろう、という期待があります。

ところが、この期待を支持する証拠は一貫していませんでした。効果を報告する研究もあれば、効果が見られなかったという研究もある。なぜ結果が分かれるのかは、明らかではありませんでした。

今回取り上げる研究は、この不一致の原因を探ろうとしました。Bronson Hui 氏が The Modern Language Journal に発表した “Scaffolding comprehension with reading while listening and the role of reading speed and text complexity” です。