論文が問いかけるもの

デジタルゲームで英語が学べるとしたら、あなたはそれを授業に取り入れますか。多くの日本の英語教員にとって、この問いはまだどこか遠い話のように聞こえるかもしれません。しかし、Mark Feng Tengによるこの論文は、VR(仮想現実)デジタルゲームを英語教育の中核に据えることが、単なる技術的な目新しさではなく、学習者のメタ認知と自律性を育む真剣な教育的手段になりうると論じています。本論文は、Computers & Education: X Reality誌の2024年第4号に掲載され、理論的枠組みの提案を通じて、VRゲームと言語学習の接点を体系的に描き出そうとする意欲的な試みです。

Tengはマカオ理工大学の准教授であり、第二言語習得、語彙学習、ライティングを主な研究領域としています。彼の研究はコンピュータ技術を活用した言語教育に重点を置いており、複数の国際誌に掲載されてきた実績があります。本論文はその延長線上に位置づけられ、VRゲームという新しいメディアを、従来の認知・教育心理学の枠組みで捉え直すという学際的な挑戦でもあります。