研究の背景と問いの立て方
英語を外国語として学ぶEFL(English as a Foreign Language)の文脈において、「どうすれば学習者が自分の力で英語を伸ばし続けられるか」という問いは、日本の英語教育関係者にとっても長年の課題です。文部科学省が「主体的・対話的で深い学び」を掲げて久しいにもかかわらず、実際の教室では教師主導の授業が根強く残り、学習者が自律的に英語と向き合う経験を十分に積めていないという声は今も絶えません。本論文はそうした問いに対し、インドネシアの大学英語教育を舞台に、多読(Extensive Reading、以下ER)と革新的テクノロジーの統合が学習者の自律性と語彙習得にどのような効果をもたらすかを、ファジィ集合質的比較分析(fsQCA)という手法を用いて検討したものです。
著者のEmilia Ninik Aydawatiはソエギジャプラナタ・カトリック大学(インドネシア・スマラン)に所属し、英語教育とサイバーラーニングを専門とする研究者です。彼女を筆頭著者として、Iis Sujarwati(ブンクル大学)、Nur Syamsiah(ランプン州立イスラム大学)をはじめ、ワリソンゴ州立イスラム大学、ディポネゴロ大学、ダルマ・ペルサダ大学など複数のインドネシア国内機関に所属する研究者計10名が共同執筆しています。インドネシアという文脈はアジアのEFL環境という点で日本との共通点が多く、本論文の知見は日本の英語教育にも十分示唆的です。
