デジタル化の波と、見えにくい「学び方の学び」

授業でどれだけ丁寧に文法を教えても、学習者が自分の理解状況を把握できていなければ、知識はなかなか定着しません。「わかったつもり」で試験に臨み、結果を見て初めて「わかっていなかった」と気づく。こうした経験は、英語教師ならば誰しも目にしてきたことではないでしょうか。この問題の核心にあるのが「メタ認知」、つまり自分の思考や学習状態を客観的に把握し、調整する能力です。今回取り上げるのは、インドネシアのUniversitas Negeri Surabayaの生物教育学科に所属するEndang Susantiniらが2021年に発表した論文 “E-book of Metacognitive Learning Strategies: Design and Implementation to Activate Student’s Self-Regulation”(Research and Practice in Technology Enhanced Learning, 16, 13)です。メタ認知学習ストラテジーに特化した電子書籍(eブック)を開発し、その設計・実施・評価について報告したこの研究は、ICTと学習者の自律性という二つの現代的テーマを接続する試みとして、日本の英語教育関係者にとっても示唆に富む内容を含んでいます。