研究の背景と筆者について
Table of Contents
−- 研究の背景と筆者について
- 研究の目的と三つの問い
- 学習方略の分類をおさらいする
- 最もよく使われた方略はメタ認知的方略
- GPAとの相関――メタ認知的方略が最も強く結びつく
- 性別・年齢は方略使用に影響しない
- 研究の方法論上の限界
- 日本の英語教育現場への示唆
- 関連研究との位置づけ
- 総評
- メタ認知戦略はなぜ成人EFL学習者の自己調整学習を支えるのか―体系的レビューが示す理論的根拠と実践的示唆
- 論文が問いかけるもの
- メタ認知とは何か―「学び方を知る」ということ
- 自己調整学習(SRL)とは何か―主体的に学ぶということ
- 体系的レビューという方法論の意義
- なぜ成人学習者にメタ認知戦略が適しているのか
- どのようにメタ認知戦略がSRLを促進するのか
- 日本の英語教育現場への示唆
- 関連研究との対比と独自の学術的貢献
- 批判的視点から見た課題
- 結びにかえて―「学び方を学ぶ」ことの重要性
英語教育の世界では、「いかに教えるか」という問いと並んで、「いかに学ばせるか」という問いが長年にわたって議論されてきました。特に1980年代以降、学習者の自律性(Learner Autonomy)というテーマは、英語教育研究における重要な柱の一つとなっています。本論文はその流れを汲む研究であり、トルコのハジェテペ大学英語教師教育学部(ELT Department)に在籍していたAli Rezalouが2014年に執筆した修士論文を土台にして、指導教員であるIsmail Fırat Altayとの共著として2022年に学術誌 Shanlax International Journal of Education に発表したものです。Rezalouは現在アタテュルク大学に籍を置いており、Altayはハジェテペ大学に所属しています。二人ともトルコの英語教育研究の文脈で活躍する研究者です。
研究の舞台はトルコという、日本と同様に英語が外国語として学ばれるEFL(English as a Foreign Language)環境です。英語が日常的にほとんど使われない社会の中で、学習者がどのように自律的に学びを進めていくかという問いは、日本の英語教育関係者にとっても決して他人事ではありません。むしろ、日本の教室に置き換えてみると、その問いの鋭さはより一層際立ちます。
