研究の背景と著者について

日本で英語を教えていると、「なぜ学生は自分から動かないのか」という問いに何度もぶつかる経験があるのではないでしょうか。授業中は静かに座り、指示されたことはこなすけれど、授業外で自主的に英語に触れようとする姿勢がなかなか見えてこない。そんなもどかしさを感じたことがある先生は少なくないはずです。今回取り上げる論文は、そのもどかしさの正体に迫る研究です。

本論文の著者であるTin T. Dangは、ベトナムのホーチミン市工科教育大学(Ho Chi Minh City University of Technology and Education)外国語学部の学部長を務める研究者です。オーストラリアのクイーンズランド大学でTESOLの修士号を、ラトロブ大学で博士号を取得しており、学習者自律性、教授法、カリキュラム開発、教育テクノロジーを主な研究領域としています。ベトナムのEFL(外国語としての英語)教育文脈における自律学習の研究を長年にわたって続けており、本論文はその蓄積の上に立つ成果です。

論文のタイトルは “Cultural and Situational Constraints on Undergraduate Students’ Performance of Learner Autonomy in EFL Learning”(EFL学習における学習者自律性の発揮に対する文化的・状況的制約)といい、2024年11月にJournal of Language Teaching and Research(第15巻第6号)に掲載されました。