リスニング指導の「答え合わせ授業」からの脱却
英語のリスニング授業といえば、テープ(あるいは音声ファイル)を流して、終わったら答え合わせをする―そんな光景が、日本の大学の英語授業では長らく繰り返されてきました。学生は受動的にイヤホンを耳に当て、問題用紙を見つめ、正解かどうかだけを気にする。教師は正解を板書して「では次の問題へ」と進む。これが現実だったという方も多いのではないでしょうか。浙江越秀大学(中国)大学英語学部の黄片片(Pianpian Huang)が2022年に発表した論文 “The Application of Metacognitive Strategy to College Students’ Autonomous English Listening”(Open Access Library Journal, Vol. 9, e8579)は、まさにこうした旧来型の授業観に正面から挑んだ実践研究です。
黄は非英語専攻の大学生を対象に、2021年3月から6月の一学期間にわたってメタ認知ストラテジー訓練を実施し、学生が自律的なリスニング学習者として成長できるかを検証しました。その手法は、リスニング前(pre-listening)・リスニング中(while-listening)・リスニング後(post-listening)の三段階モデルに基づくものであり、理論的な柱としてO’Malley & ChamotおよびOxfordらの先行研究を援用しています。規模は二クラスという小規模なものですが、実践の丁寧さと記述の具体性において、日本の英語教育関係者にも多くの示唆を与えてくれる論文です。
