研究の背景と著者について

外国語としての英語教育(EFL)において、「リスニング」はどこか地味な存在として扱われがちです。スピーキングのように目に見えるアウトプットがあるわけでもなく、ライティングのように成果物が残るわけでもない。しかし、言語習得においてリスニングが果たす役割は計り知れないものがあり、そこへの注目が近年ようやく高まってきました。本論文はまさにその潮流に乗り、しかも「メタ認知戦略指導(Metacognitive Strategy Instruction、以下MSI)」という具体的な介入手法を通じて、学習者の自律性を育てることができるかという問いに真正面から向き合っています。

著者はSurya S. Vellanki、Zahid K. Khan、Saadat Mondの3名で、いずれもオマーンの国立大学であるUniversity of Technology and Applied Sciences(Nizwa校)に所属する研究者兼教育実践者です。彼らは単なる外部研究者ではなく、実際に対象学生を教えた教員でもあります。つまりこの研究は、現場の肌感覚を持った人間が、自分の授業を省察しながら設計・実施した、まさに実践に根ざした研究と言えます。2024年にJournal of Pedagogical Research(Volume 8, Issue 4)に掲載されたこの論文は、オマーンのEFLという特定の文脈に焦点を当てながらも、普遍的な示唆を含んでいます。