フランス語という「傍流」から見えてくるもの
英語教育の研究者や実践者にとって、「フランス語学習者の研究」と聞けば、一瞬「自分には関係ない話かな」と思う方もいるかもしれません。しかし、この論文を読み進めていくと、そこに描かれているのは言語を問わず外国語学習者全般に共通する課題であり、とりわけ日本の英語教育現場が長年格闘してきた問題と深く共鳴することに気づかされます。本稿で取り上げるのは、Dwiyanto Djoko Pranowo、Roswita Lumban Tobing、そしてCong Tran Vanらによる研究 “French as a Foreign Language Learners’ Metacognitive Strategy: A Comparative Study between Indonesia, Thailand, and Vietnam”(Indonesian Journal of Applied Linguistics, Vol. 14, No. 2, 2024年9月)です。
この研究は、インドネシア・タイ・ベトナムという三つのASEAN諸国において、外国語としてのフランス語(FFL)を学ぶ大学生56名を対象に、メタ認知戦略の使用実態を調査・比較したものです。使用されたのは、Zhang and Seepho(2013)のMetacognitive Strategy Questionnaire(MSQ)を改変した20項目の質問票で、計画(Planning)、モニタリング(Monitoring)、評価(Evaluating)という三つのメタ認知プロセスに沿って分析されています。シンプルな構成ですが、そこから引き出される示唆は決して小さくありません。
