研究の背景と著者について
本論文は、インドネシアのイスラーム寄宿学校(pesantren)という、日本人研究者にはなじみの薄い独特の教育環境を舞台に、メタ認知戦略が批判的思考力と学習者自律性に与える影響を検証したものです。著者の筆頭はImam Nur Azizで、Universitas Negeri Malang(マラン国立大学)の博士課程に在籍しながら、同大学のPunaji Setyosari、Utami Widiati、Saida Ulfaといった経験豊富な指導教員とともにこの研究を進めました。Al-Hayat: Journal of Islamic Educationの2024年4月から6月号に掲載されました。
インドネシアにおけるイスラーム寄宿学校は、単なる宗教教育施設ではありません。生徒たちは24時間、学校の敷地内で共同生活を送りながら、宗教的学習と一般教育を同時に受ける、ある意味で「全人格的」な環境に置かれています。こうした環境では、従来の暗記中心の学習が長年にわたって主流でした。そこに「メタ認知戦略」という、自分の学習プロセスそのものを意識し、計画・監視・評価するアプローチを持ち込もうとした点に、この研究の意義があります。
