教育現場に押し寄せるAIの波を冷静に分析した意欲作

ChatGPTが世界中で話題になった2022年から2023年にかけて、教育現場では大きな混乱と期待が渦巻いていました。学生が宿題にAIを使って問題になったり、一方で教師がAIを活用した新しい授業方法を模索したりと、現場は右往左往していたのが実情です。そんな中で発表されたこの論文”New era of artificial intelligence in education: Towards a sustainable multifaceted revolution”は、AIが教育に与える影響を冷静かつ包括的に分析した貴重な研究といえるでしょう。

本研究の著者陣は国際色豊かで実践的な背景を持っています。主著者のFiruz Kamalov氏はドバイのカナダ大学で電気工学を専門とし、AIと機械学習の教育応用に長年取り組んできました。共著者のDavid Santandreu Calonge氏は、アブダビにあるAI専門大学として知られるMohamed bin Zayed University of Artificial Intelligenceで学術開発を担当しており、AI教育の最前線で活動しています。第三著者のIkhlaas Gurrib氏は財務・会計の専門家として、教育におけるAI導入のコスト効果分析に貢献しています。

この多様な専門性を持つチームが、2019年から2023年までの44の研究を詳細に分析し、AI教育への影響を「応用」「利点」「課題」という三つの軸で整理したのが本論文の特徴です。