はじめに:なぜこの研究が注目されるのか

私たちの多くは学生時代に外国語学習で苦労した経験があるでしょう。英語の授業で文法を覚えるのに四苦八苦したり、発音がうまくいかずに恥ずかしい思いをしたり。しかし、中には語学学習を心から楽しんでいる人もいます。映画やドラマで聞いた外国語に魅力を感じ、その国の文化に興味を持ち、自然と学習が進む人たちです。

今回取り上げる研究”Motivation and second foreign language proficiency: The mediating role of foreign language enjoyment”は、まさにこの「楽しさ」が語学学習にどのような影響を与えるかを科学的に検証したものです。浙江大学の張慧宇氏、戴瑛氏、そして北京外国語大学の王迎冲氏らによって実施されたこの研究は、中国の英語専攻学生が第二外国語(日本語、フランス語、ドイツ語など)を学ぶ際の心理的プロセスを明らかにしています。

研究チームは陝西省の7つの主要大学から335名の英語専攻の4年生を対象に調査を実施しました。これらの学生たちは英語を専攻しながら、さらに第二外国語として他の言語を学んでいる、いわば多言語学習者です。研究者たちが特に注目したのは、学習動機と言語習得能力の関係において、「外国語学習の楽しさ」がどのような役割を果たすかという点でした。