はじめに:AI時代の語学学習を問い直す
2022年11月にChatGPTが世界に登場して以来、教育現場は大きな変化の波に直面しています。特に語学学習の分野では、「いつでもどこでも会話相手がいる」という夢のような状況が現実のものとなりました。しかし、本当にこの技術は学習者にとって福音なのでしょうか。
今回取り上げるのは、トルコの研究者らが行った、ChatGPTを英語学習に取り入れた実証研究“Incorporating AI in foreign language education: An investigation into ChatGPT’s effect on foreign language learners”です。筆頭著者のFatih Karataş氏は、ネヴシェヒル・ハジ・ベクタシュ・ヴェリ大学で外国語教育を専門とする研究者で、この研究ではアンカラ・メディポル大学、カナダのコンコルディア大学、そしてトルコの複数の大学から研究者が参加する国際的なチームを組んでいます。
この研究が特に興味深いのは、実際の教育現場で4週間にわたってChatGPTを使った授業を実施し、13人の学生に詳細なインタビューを行って、その生の声を丁寧に分析している点です。数字だけでは見えない学習者の実感や、思わぬ副作用まで浮き彫りにしています。
