はじめに:デジタル教室の変貌

私たちの身の回りを見回してみると、スマートフォンで翻訳アプリを使ったり、音声認識で外国語の発音を練習したりする光景は、もはや珍しいものではありません。教育現場でも同様に、人工知能(AI)を活用した学習支援システムが急速に普及しています。しかし、こうした技術の浸透が実際の学習にどのような影響を与えているのか、その全体像を把握することは容易ではありません。

今回取り上げる論文”The current research trend of artificial intelligence in language learning: A systematic empirical literature review from an activity theory perspective”は、オーストラリアのシドニー大学のHongzhi Yang氏と韓国のSookmyung Women’s UniversityのSuna Kyun氏による共同研究で、AI支援言語学習の現状を包括的に分析した貴重な成果です。2022年にAustralasian Journal of Educational Technologyに発表されたこの研究は、過去15年間の実証研究25本を詳細に検討し、活動理論という心理学の理論枠組みを用いて分析しています。