はじめに―教科書評価の新しいアプローチ

英語を外国語として学ぶ学生にとって、教科書は学習の道しるべとなる重要な存在です。しかし、その教科書が学生のレベルに合っているかどうかを、どのように判断すればよいのでしょうか。これまで多くの研究者や教育者は、チェックリストやアンケート調査といった主観的な方法に頼ってきました。今回紹介する研究は、この古くからの課題に対して、データ分析という客観的な手法で挑んだものです。

この論文”Exploring syntactic complexity and text readability in an ELT textbook series for Chinese English majors”の筆者は、Chili Li、Xue Wang、Long Qianの3名です。Chili Liは湖北工業大学に所属し、Xue Wangは同大学と華中師範大学の両方に籍を置いています。また、Long Qianは武漢工程科学大学と香港理工大学に所属しており、本研究の連絡担当著者を務めています。彼らは中国の大学で英語専攻の学生が使用している集中読解教科書シリーズを対象に、文章の統語的複雑性(文法構造の複雑さ)とテキストの読みやすさという2つの観点から、科学的な分析を試みました。