はじめに―現場で感じる違和感から生まれた研究

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教室で子どもたちに英語のフォニックスを教えた経験がある方なら、こんな場面に遭遇したことがあるかもしれません。「c-a-t、cat!」と元気よく音を合成できた子どもが、「catって何?」と聞いてくる場面です。音は読めても意味がわからない。特に英語を第二言語として学んでいる子どもたちにとって、これは日常茶飯事です。

本論文”Rethinking English phonics instruction for early childhood English learners”の筆者であるLinda Ventriglia-NavarretteとAdam R. Moylanは、まさにこの問題に着目しました。カリフォルニア大学リバーサイド校とRockman et al Cooperativeに所属する両氏は、アメリカの教育現場で深刻化している読解力格差、特に英語学習者(EL)の遅れという問題に正面から取り組んでいます。

Ventriglia-Navarretteは長年、早期児童教育と第二言語習得の研究に携わってきた研究者です。彼女が開発した「RULE of 3」という介入プログラムは、従来の英語フォニックス指導に対する根本的な問い直しから生まれました。英語を母語とする子どもと、第二言語として学ぶ子どもでは、フォニックスを学ぶプロセスが異なるはずだ―この当たり前のようでいて見過ごされがちな事実が、研究の出発点となっています。