研究の背景と筆者たち

この論文”Usability of a reading intervention for upper-elementary English learners: Building reading comprehension through knowledge, language, and structured inquiry”は、North Carolina State UniversityのDennis S. DavisとJackie E. Relyeaを中心とする研究チームによるものです。Davisは読解指導、特に困難を抱える生徒への介入支援を専門とする准教授であり、Relyeaは英語学習者向けの実証的介入プログラムの開発を専門とする助教授です。彼らは、アメリカの学校で増加する多言語話者の子どもたち、特に「英語学習者」として分類される生徒たちの読解力向上という喫緊の課題に取り組んできました。

アメリカでは現在、学齢期の子どもの10.4%が英語学習者として分類されており、その多くはスペイン語を家庭言語とする子どもたちです。彼らは単語の読み取り(デコーディング)では英語を母語とする子どもたちと同程度の能力を示すものの、高度な言語理解や読解、特に複雑な説明文の理解において困難を経験することが知られています。この困難は上位小学生(3年生から5年生、日本の小学3年生から5年生に相当)になるにつれて顕著になります。なぜなら、この時期の子どもたちは英語の学術的言語能力を構築しながら、同時に各教科の内容知識も獲得しなければならないからです。

このような背景から、Davisたちの研究チームは「K.L.I.」というプログラムを開発しました。K.L.I.とは、Knowledge(知識)、Language(言語)、Structured Inquiry(構造化された探究)の頭文字をとったもので、これら3つの要素を重視した読解支援介入プログラムです。