筆者と研究の背景

この論文”An empirical case study on teacher questioning strategies targeting thinking quality in senior high school English reading instruction”の著者であるPeiyu Wangは、中国西部師範大学(China West Normal University)に所属する研究者です。中国では近年、英語教育において単なる語学知識の伝達から、より高度な思考力の育成へと大きな方向転換が行われています。2017年に改訂された高校英語カリキュラム基準では、「思考の質」が教育の核心的な目標として明確に位置づけられました。この「思考の質」とは、論理的思考、批判的思考、創造的思考の三つの側面を含む概念です。

Wangはこうした教育改革の流れの中で、教室における最も基本的でありながら強力な教育手段である「教師の質問」に注目しました。考えてみれば、私たちが学生だった頃を思い出しても、先生からの質問が自分の理解を深めたり、新しい視点に気づかせてくれたりした経験は誰にでもあるでしょう。しかし、質問の仕方ひとつで、生徒が表面的な暗記に終始するか、それとも深い思考に到達するかが大きく変わってきます。