深刻化する読解力の危機

教室で教科書を開いても、そこに書かれている言葉の意味が理解できない。そんな子どもたちが世界中で増えています。特に南アフリカでは、この問題が深刻です。2021年の国際的な読解力調査(PIRLS)によれば、小学4年生の実に81%が、文章を読んでもその意味を理解できないという結果が出ました。これは単なる統計上の数字ではありません。教室で起きている現実の姿です。子どもたちは文字を目で追うことはできても、そこから知識を得たり、考えを深めたりすることができないのです。

この問題に取り組んだのが、Tshwane University of TechnologyのFlorence M. Olifantです。彼女は応用言語学部に所属する研究者で、長年にわたって英語教育の現場を見てきました。南アフリカの教育制度では、多くの子どもたちにとって英語は「第一追加言語」、つまり母語ではないけれど学校教育で重要な役割を果たす言語です。この複雑な言語環境の中で、どうすれば子どもたちの読解力を高められるのか。Olifantはこの問いに、具体的な指導プログラムを開発して答えようとしました。