研究の背景と筆者たち

この論文”Theme-based, sheltered, or adjunct? Evaluating CBI models for improving English reading skills in Chinese EFL classrooms”は、中国の大学で英語を外国語として学ぶ学生たちの読解力向上に、どのような教え方が最も効果的かを調べた研究です。筆者の一人であるLu Zhangは、マレーシア国立大学(Universiti Kebangsaan Malaysia)の教育学部で学ぶ研究者で、指導教員であるHanita Hanim IsmailとNur Ainil Sulaimanの監督のもと、この研究を遂行しました。

中国では近年、大学教育の国際化が急速に進んでおり、「双一流」という国家プロジェクトのもと、主要大学が英語による授業や国際的な教材の使用を拡大しています。しかし、従来の文法訳読式や試験対策中心の英語教育では、学生が実際に英語の学術文献を読んで理解し、批判的に考える力を十分に育てられないという課題が指摘されてきました。そこで注目されているのが、CBI(Content-Based Instruction)と呼ばれる指導法です。

CBIとは、簡単に言えば、英語そのものを学ぶのではなく、何か興味深い内容(たとえば環境問題や文化、専門分野の知識など)を英語で学ぶことを通じて、言語能力を伸ばそうとする方法です。たとえば、日本で英語の授業中に「地球温暖化について英語で議論する」ような活動を想像すると分かりやすいでしょう。しかしCBIには複数のモデルがあり、それぞれ設計思想が異なります。本研究は、その中でも代表的な三つのモデル―テーマ型、シェルター型、アジャンクト型―を実際の教室で比較し、どれが最も読解力向上に貢献するかを検証しました。