研究の背景と筆者たちの問題意識

この論文”Impact of reading strategy instruction on improvement of strategy use and reading comprehension: A meta-analysis”は、神田外語大学のShotaro Uenoさんを筆頭に、関西大学のMaiko IkedaさんとOsamu Takeuchiさん、そしてマカオ工科大学のMark Feng Tengさんという4名の研究者が協力して行ったメタ分析研究です。メタ分析というのは、これまでに発表された複数の研究結果を統計的に統合して、より確かな結論を導き出そうとする手法です。料理にたとえるなら、様々なシェフが作った同じ料理のレシピを集めて、どの材料や調理法が本当に美味しい料理を作るのに効果的なのかを科学的に検証するようなものだと考えていただければよいでしょう。

研究チームが取り組んだのは、英語の読解ストラテジー指導の効果についての問いです。読解ストラテジーというのは、文章を読むときに使う様々なテクニックや工夫のことで、例えば「読む前に見出しから内容を予測する」「わからない単語があっても文脈から意味を推測する」「重要な部分に線を引く」といった具体的な方法を指します。多くの英語教師は、こうしたストラテジーを生徒に教えることで読解力が向上すると信じていますが、本当にそうなのか、そしてどのような条件で最も効果的なのかについては、まだ十分に明らかになっていませんでした。