英単語学習における「考える力を考える力」の正体

私たちは英語の単語を覚えるとき、ただ闇雲に暗記しているわけではありません。実は、自分の学習プロセスについて考えながら、戦略を立て、調整しているのです。この「自分の学習について考える力」をメタ認知知識と呼びます。Mark Feng TengとAtsushi Mizumotoによる本研究”Validation of metacognitive knowledge in vocabulary learning and its predictive effects on incidental vocabulary learning from reading”は、この見えにくい力を測定可能な形にし、それが実際の語彙学習にどう影響するのかを明らかにしようとした意欲的な試みです。

Tengは澳門理工大学(Macao Polytechnic University)の言語翻訳学部に所属し、Mizumotoは関西大学外国語学部の准教授です。特にMizumotoは日本における語彙学習戦略研究の第一人者として知られ、これまでにも多くの実証研究を発表してきました。両者の協力により、教育心理学で発展してきたメタ認知の概念を、第二言語の語彙学習という具体的な領域に落とし込んだ点に、本研究の独創性があります。