実際の言語データで学ぶという発想

皆さんは英語を勉強するとき、どんな教材を使っているでしょうか。多くの場合、教科書に載っている例文や、先生が作った練習問題を使っていると思います。でも、よく考えてみると、そうした教材の英語は少し不自然だったり、実際のネイティブスピーカーがあまり使わない表現だったりすることがあります。たとえば、教科書には「I am a student.」という文がよく出てきますが、実際の会話では「I’m a student.」の方が圧倒的に多く使われます。こうした「本物の英語」と「教科書の英語」のズレを埋めようとする試みが、今回紹介する論文のテーマです。

Dandan Liらがまとめたこの体系的レビュー論文”A systematic review of corpus-based instruction in EFL classroom”は、マレーシアのUniversiti Putra Malaysiaの研究チームによるもので、コーパスベースの指導(Corpus-Based Instruction、略してCBI)という教授法について、2011年から2024年までの研究を広範囲に調べたものです。コーパスとは、簡単に言えば、新聞記事や小説、日常会話など、実際に使われている英語を大量に集めてデータベース化したものです。このデータベースを使って英語を教える方法が、コーパスベースの指導なのです。