教室で当たり前に使われている教え方に、実は証拠がなかった
小学校で英語を習ったことがある方なら、「What’s your name?」や「My name is…」といった決まり文句を丸ごと覚えた経験があるのではないでしょうか。こうした複数の単語がひとかたまりになった表現は、専門用語で「多語ユニット」(Multi-Word Units)と呼ばれています。欧州を中心に、こうした「かたまり表現」を教えることは、子どもの外国語教育の柱となっています。実際、ドイツの教育指導要領にも明記されていますし、教科書や教員養成プログラムにも組み込まれています。
しかし、オックスフォード大学教育学部のJohannes Schulzらの研究チームは、驚くべき事実を明らかにしました。世界中の研究データベースを徹底的に調べた結果、小学校での「かたまり表現」教育の効果を実証する信頼できる研究が、ほとんど存在しなかったのです。2023年に発表されたこの系統的レビュー論文”The impact of multi-word units in early foreign language learning and teaching contexts: A systematic review”は、教育現場で当たり前のように行われている実践が、実は十分な科学的根拠に基づいていないという、教育界にとって厳しい現実を突きつけています。
