研究の背景と筆者たちの取り組み
英語を母語としない人々にとって、英語の読解力を身につけることは決して容易ではありません。特に、英語の綴りと発音の関係が複雑であることが、学習者を悩ませる大きな要因となっています。たとえば、”beach”と”bread”と”break”では、同じ”ea”という文字の並びが全く異なる発音をします。このような不規則性は、単純に文字と音の対応規則を覚えるだけでは読めない単語が数多く存在することを意味しています。
この論文”The unique contribution of vocabulary in the reading development of English as a foreign language”は、University of AmsterdamのAlexander Krepelらによる研究チームが、オランダの中学1年生455名を対象に実施した大規模な調査です。研究チームには、言語発達や読解教育の専門家が名を連ねており、University of AmsterdamとRadboud Universityという二つの主要な研究機関が協力しています。特筆すべきは、Peter F. de Jongという読解研究の分野で豊富な実績を持つ研究者が最終著者として参加していることです。
彼らの研究の出発点は、シンプルながら重要な疑問でした。英語を母語とする子どもたちの研究では、語彙知識が豊富であるほど、特に不規則な単語を読む能力が高いことが示されています。では、外国語として英語を学ぶ子どもたちにも、同じことが当てはまるのでしょうか。この問いに答えることは、第二言語教育の方法を考える上で極めて重要です。
