はじめに:職業教育における英語学習の難しさ

私たちは中学や高校で英語を学びますが、将来大工になりたい生徒も、美容師を目指す生徒も、同じような英語の授業を受けることが多いのではないでしょうか。しかし考えてみれば、それぞれの職業で必要な英語は大きく異なります。建築現場で使う工具の名前、美容室で使う薬剤の説明、それぞれに専門的な語彙が必要です。オスロ大学のKaja Granum SkarpaasとKari Anne Rødnesは、こうした問題意識から、ノルウェーの職業高校で英語がどのように教えられているかを詳しく調べました。

本研究”Vocabulary teaching practices of L2 English in upper secondary vocational classrooms”は、8つの職業高校のクラスで計23レッスンを観察し、特に語彙指導に焦点を当てています。ノルウェーでは高校生の約半数が職業教育プログラムに進学し、英語は必修科目として140時間学ぶことになっています。そこで推奨されているのが「vocational orientation(VO)」と呼ばれる教育アプローチです。これは一般科目を職業教育の文脈に結びつけて教える方法で、生徒の興味や将来のキャリアと関連づけることで学習意欲を高めようとするものです。