研究の背景:試験重視の教育現場が抱える課題
Table of Contents
−- 研究の背景:試験重視の教育現場が抱える課題
- トランスランゲージングとは何か:言語の壁を越える試み
- 動機づけの理論:なぜ英語を学ぶのか
- 研究の方法:教室の中で何が起きているのか
- 教室での実践:drillという単語をどう教えるか
- もう一つの事例:close upの多層的な説明
- 生徒の声:動機はどう変わったか
- 母語使用への態度:橋渡しとしての中国語
- マルチモーダル実践への評価:見て、聞いて、感じて学ぶ
- 研究の意義と限界:何が明らかになり、何が残されたか
- 方法論的な考察:研究デザインの強みと課題
- 理論的貢献:トランスランゲージング研究への位置づけ
- 実践的示唆:教師や政策立案者へのメッセージ
- 比較文化的視点:日本への示唆
- 今後の研究への期待:残された問いと新たな方向性
- 読み手として考えること:研究から学び、実践へつなげる
Wang et al.による本研究”Enhancing second language motivation and facilitating vocabulary acquisition in an EFL classroom through translanguaging practices”は、中国の高校における英語教育の現場から生まれました。筆者らは南京林業大学、江蘇省句容高級中学、南京師範大学に所属する研究者たちで、特に第一筆者のWangは香港大学でも学び、トランスランゲージングという新しい教育アプローチについて専門的な訓練を受けています。
中国の高校生にとって、英語学習は大学入試「高考(Gaokao)」という高い壁と切り離せません。多くの生徒が何年も英語を勉強しているのに、語彙の理解に苦しみ、やる気を失っていくという問題があります。これは日本の受験英語にも通じる課題でしょう。文法規則は頭に入っているのに、実際に使えない。単語は暗記したはずなのに、文脈の中で意味がつかめない。そんなもどかしさを感じた経験は、多くの人が持っているのではないでしょうか。
