言葉の力が教育格差を生む現実
教室で先生の説明を聞いていても、使われている言葉の意味がよくわからない。教科書を開いても、知らない単語が次々に出てくる。そんな経験をしたことがある人は少なくないでしょう。私たちは誰しも、新しい分野を学ぶときには、その分野特有の言葉に戸惑うものです。しかし、学校で学ぶ言語そのものが母語ではない子どもたちにとって、この困難は日常的なものです。
イングランドでは現在、小学校の児童の5人に1人以上が、英語を追加言語として学ぶ子どもたち、いわゆるEAL学習者です。彼らの多くは家庭では別の言語を話し、学校で初めて本格的に英語に触れます。こうした子どもたちは、音を読み取る力、つまり文字を音に変換する力では英語を母語とする子どもたちと変わらない成績を示すのですが、語彙力や文章理解力では明らかに差が見られることが、これまでの研究で繰り返し報告されてきました。
さらに困ったことに、この差は時間が経っても自然には縮まりません。通常の授業を受けているだけでは、英語を母語とする子どもたちも新しい言葉を学び続けるため、EAL学習者は常に「動く標的」を追いかけているような状態になるのです。
