実験室を出て、日常会話の中へ
私たちが外国語を学ぶとき、教室で習う「正しい」文法と、実際に街で耳にする自然な会話との間に、しばしば大きな隔たりを感じることがあります。例えば英語の関係詞について、教科書では「人にはwho、物にはwhichを使う」と習いますが、実際のネイティブスピーカーの会話を聞くと、thatばかりが使われていたり、時には関係詞が省略されていたりします。Ottawa大学のStephen Leveyらによる本研究は、まさにこの「教科書の英語」と「現実の英語」の間にある溝に光を当てた研究といえます。
本論文”Language learning in the wild: The L2 acquisition of English restrictive relative clauses”の筆者らは言語学者として、実験室ではなく実際の生活の中で第二言語がどのように習得されるかに焦点を当てています。Leveyは社会言語学の分野で、特に話し言葉における文法変異の研究を長年続けてきた研究者です。共著者のRochonとKastronicとともに、2018年から2022年にかけて、カナダの首都圏であるOttawa-Gatineau地域で、フランス語を母語とする29名の英語学習者から、自然な会話データを収集しました。
