研究の概要―210人の子どもたちを追いかけた6年間
小学校に入学したばかりの子どもたちが、どのように考える力を育て、どのように英語の単語を覚えていくのか。この問いに答えるために、Mark Feng Tengは中国のバイリンガルプログラムに参加する210名の児童を6年間追跡しました。この研究”Longitudinal development of cognition and vocabulary knowledge in young second language learners in a bilingual programme”は、単なる語彙力の測定にとどまらず、子どもたちの認知発達―つまり「考える力」そのものの成長―と英語学習の関係を丁寧に記録した点で注目に値します。
私たちが日常生活で「あの子は物覚えがいい」と感じるとき、その背景には複雑な認知プロセスが働いています。Tengの研究は、そのプロセスを三つの要素に分けて測定しました。一つ目は「メタ認知知識」―自分がどう学んでいるかを理解する力です。二つ目は「ワーキングメモリ」―情報を一時的に保持して操作する能力です。三つ目は「非言語的知能」―言葉に頼らずに問題を解決する力です。これら三つの認知能力が、英語の語彙知識とどう関わるのかを、小学1年生から6年生まで毎年測定し続けたのです。
