バイリンガルの母語に何が起きているのか
海外に長く住んでいると、母語が変わってくるという話を聞いたことがあるでしょうか。日本人がアメリカに長年住んでいると、日本語を話すときにも英語の影響が出てくるといった現象です。Tilburg大学(オランダ)のMarie Barking、Maria Mos、Ad Backusによる本研究”Investigating language transfer from a usage-based perspective”は、オランダに住むドイツ語母語話者を対象に、第二言語であるオランダ語が母語ドイツ語にどのような影響を及ぼすかを、認知言語学の枠組みで詳しく調べたものです。
通常、言語転移(language transfer)の研究は、母語から第二言語への影響を扱うことが多いのですが、この研究が注目するのは逆方向、つまり第二言語から母語への転移です。この現象は、移民など長期間二言語環境にいる人々においてよく見られます。
