はじめに―この研究が問いかけること
ChatGPTが世に出てからというもの、教育現場では「使わせるべきか、禁止すべきか」という二項対立の議論が繰り返されてきました。特に英語の授業でライティングを課している教員にとって、この問いは切実です。学生がAIに文章を書かせてしまったら、いったい何を評価しているのか。そもそも「書く力」とは何なのか。そういった根本的な問いが、にわかに現場を揺さぶり始めています。
本稿で紹介するのは、アメリカの高等教育機関でライティングを教えるChaoran Wangが2025年に発表した論文、”Exploring Students’ Generative AI-Assisted Writing Processes: Perceptions and Experiences from Native and Nonnative English Speakers”(Technology, Knowledge and Learning, 30巻, 2025年)です。この研究は、大学1年生のライティングクラスという極めてリアルな現場で、学生たちがChatGPTをどう使い、何を感じ、どんな葛藤を抱えているかを丁寧に掘り起こした質的研究です。日本の英語教育関係者にとっても、示唆に富む内容が詰まっています。
